がんを免疫で治す

ご挨拶

2023年1月より、慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所 がん免疫研究部門 を立ち上げました。
私たちの研究室では、がんを免疫細胞が認識・攻撃する仕組みを詳しく調べ、
これを人工的に制御・改変することで治療に応用する、「がん免疫療法」に関する研究を行っております。

生きた免疫細胞そのものを体外で加工して薬として使う「養子免疫療法」は、例えば、近年キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor: CAR)
導入T細胞療法(CAR-T細胞療法)が実際の臨床現場でも使われるようになり、注目されています。
またPD1などの免疫チェックポイント阻害剤や二重特異性抗体など、
体の中の免疫細胞を活性化させる薬剤も次々に実用化に向けた開発が進んでいます。
しかし、これらの治療法でがんを完全に治せることは実際には稀であり、さらに治療効果や安全性、汎用性を高めるための研究開発が必要です。
一方では実用面だけにとらわれず、より基礎的な免疫学、例えばT細胞のメモリー形成やエフェクター機能、機能低下(疲弊)といった現象に着目して、
これらに関わるメカニズムを遺伝子レベル、分子レベルで解明することを目指した研究も重要と考えております。

慶應義塾大学医学部 先端医科学研究所 がん免疫研究部門・教授 籠谷 勇紀

お知らせ

2023.11.20
研究室の論文が『Nucleic Acids Research』に掲載されました。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2023/11/22/28-154650/
2023.08.17
総説が『International Immunology』に掲載されました。
2023.03.31
ホームページを公開しました。